(2019/07/31追記 :ファンアートを描いたので載せてみました。)
イオンシネマって初めて行った気がする。
タイトルの通り、映画「新聞記者」を見てきました。
私は基本映画館に足を運んで映画を見るって事を人より活発にするタイプではないのですが、今年は今作含めて4回見てるので自分でもよく出かけてるなー、って。
ちなみに残り3回の内訳は「映画 刀剣乱舞」「ガールズ&パンツァー 最終章第2話」(2回)です。
どうして「新聞記者」を見に行こうと思ったのか。それは私がいつものようにぼへーっとTwitterを眺めていたらフォロワーのリツイートでこの映画について触れていて、リプライの内容がおおむね「この映画の予告編を見る限りではつまんない、左翼の溜飲を下げるためにある映画、見るだけ金の無駄」(ここの辺り、いつも私が避ける言い方をあえて書いてます)などなど酷評でした。みんな予告編しか見てないのに。
それを踏まえて。私は基本みんなが「そうだそうだ」といっていることに対して「それは本当なのかにゃ〜?」みたいな目を向ける人間です。 だから自分の目で確かめにいきました。
つまんなくはなかったですよ。(手短に結論をまず書くスタイル)
いや、だからといってすごいもり上がる内容でもなく、淡々と物語が進んでいくミステリーとか、サスペンスな内容でした。
ストーリーは…これはもうみなさん公式サイトを一度見てください。(丸投げ)
…おおざっぱにストーリーを書きますと、東都新聞の記者、吉岡エリカ(シム・ウンギョン)と、内閣情報調査室(内調)の官僚、杉原拓海(松坂桃李)の二人が主人公。
吉岡エリカは新聞記者であった父がアメリカで働いていたときに結婚した韓国人の母との間に生まれたという設定です。なので作中では日本語も決してたどたどしいわけではありませんが、英語の方がバリバリ話せます。めっちゃ流暢。取材メモも英語。吉岡の父は自分が書いた記事が誤報だったことで大きなバッシングを受けた後に自殺(深く語られていないけど回想シーンや会話で伝えられる)しています。
杉原拓海は外務省を経て現在は内調の官僚、ニュースや情報のコントロールを主な仕事としています。
吉岡は新聞社に送られてきた謎のFAX─国からのリークと思われる大学建設計画を取材する事になります。ある日、杉原の元上司であった神崎─大学建設計画にも関わっていた人物が謎の自殺。二人はこの事件をきっかけに出会い、普通ならば協力しあわないような立場でありながらそれぞれの方法で事件の謎を追っていく。そこで浮かび上がってきた事実は─という内容。
※ここからとりとめもなくつらつら書いていくタイムです。
そしてものすごい勢いでネタバレを含みます。いや含んだら意味ないじゃん!と思ったのですが、勢いで書いたらネタバレさせないと私のブログぢからでは書けないと思ったのでほぼ全部書きます。
※私、山田まりん自身は原案となっているノンフィクション「新聞記者」を読んでいません。ですのでここから先は原案や作者の事とか一切抜きの、映画としての感想になります。
現実と虚構が上手い具合にミクスチャーされたストーリーからの急展開と俳優の演技力
いきなりですが最初の不満点。公式サイトのストーリーで使われている画像と、予告編でも使われてるカット、ネタバレ含みすぎ(特に新聞の一面のカット)。実は私は予告編も見ないで本編を見て、それから予告編を見たのですが、えーここ載せちゃうー?みたいな。
他にはですね、最初に述べたTwitterでは予告編だけで云々、の話。
私が見たリプライは「内調の人はあの暗い部屋でTwitter使って工作してる、と映画制作者は思ってるんだろうな」というのが多々あったんですが、実際見てわかりました。あのくらーい部屋というのはおそらく、「国民の知らないところで情報操作を日々行っている」という怪しさを出すために暗くしてる演出だと思うんです。しかしこれが本当に暗くて映画館で見るとなおさら暗くて何も見えない!ガンマ値低すぎ!シーンの中では部屋の入口とかは明かりがついているので実際は(撮影というよりこれが実際に行われているとして)明るいと思うんですけど、怪しさを出すために暗くしすぎてる感がありました。ゲームで言うと「Cry of Fear」くらい暗い!もちろんそれが怪しさとか、杉原の上司の冷酷さとかを強調してはいるんですが、暗くするよりも青みとかを強めにして「冷たい雰囲気」とかでもよかったんじゃないかなー…と。せっかく映画館で見たのに割と見えないのは困りました。
まぁこの情報操作をするシーンってのはたくさん出てくるんですが、実際のTwitter(と同じインターフェース。ハッシュタグキャンペーンもやってたから協力してもらってるんだと思う)で職員がたくさん書き込んでいる。上司が「与党ネットサポーターにこの人物が野党議員と関係を持っていると流すように伝えろ」と言って書き込まれている内容が、案外実際のTwitterでも本当によく見るような内容なのが、上手いなぁ。と思いました。私は現実で内調やネットサポーターがやってるかどうかは知りません。ただ、映画を見終わった後に、「ネットサポーターとして要請されているかは知らないけど、案外政府支持する派の人達が自発的に書き込んでいるのが結果としてサポートになってるのかな???」とか考えたんですが結論は出ません。
この書き込みの中で印象的だったのが、吉岡自身が「東都新聞社会部記者」としてツイートした内容への返信にあった(ここ完全にこういう文ではないと思いますが内容の意味として)、
「あなたの中ではこの事件はそういう事になってるんですね、(自称)新聞記者さん(笑)」
というもの。ちょおリアルー。
お話が進む中で分かっていく、大学建設計画と、その裏に隠された事実。これが予告編と公式サイトでもうネタバレになっているので書いちゃいますが。書いちゃう?書くかー。
「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」!
※注:ここでネタバレ書いたんですけどやっぱりやめました。まだ映画は公開してるので、みんな見てね。
これが思いのほか飛躍しすぎてて、私としては今までリアルとフィクションが混ざっていい感じだったんですけど「…えっ?!」って感じ。しかしここからの展開がまた良くて。内調の目を盗んで情報を集めていく杉原、疑惑の目を向ける上司。妻(本田翼)と生まれたばかりの我が子と自宅で過ごすも何か落ち着かない杉原の表情。この松坂桃李くんの表情の演技がすごいんだこれ!吉岡演じるシム・ウンギョンさんの目の演技もよくて、この作品、各登場人物の目の演技が大変面白いです。
映画を見た後に分かった、「最近見たあのツイート、『新聞記者』に引っ張られてない?」というやーつ
映画を見ながら私は「あっこの大学建設計画の裏の話…最近Twitterでリツイートされてるの見た!」と思ったんですよ。
「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」!
※注:ここも上記の伏字同様、やっぱりネタバレなしにしました。
っていうツイート。あっこれこの映画じゃん!って思いました。因果関係はわかりませんが、個人的にはちょっと面白かったです。もし映画見た人がツイートしたのであれば、この作品の特徴である現実とフィクションがまざっちゃう感がばっちり見る人に伝わっているのではないでしょうか。
ここまで本当にとりとめもなく書いてるのに読んでいただきありがとうございます。私自身はこの映画、いろいろ言いましたが楽しめました。世間(世間と書いてTwitterと読む狭い世間)では反政府的とかなんとかとか、そういう視点で語られている意見がたくさん見られたのですが。私はこの映画で印象に残った、「新聞記者」という映画だからこそもっと主張してほしいシーン、セリフがありました。
それは杉原の元上司、神崎の通夜の会場でのこと。杉原が付き添ってお寺を出ようとする神崎の遺族に容赦なくカメラやマイクを向けるマスコミ。その場に同じくいた吉岡は記者として遺族に近づくのではなく、彼らに詰め寄る貴社の一人の腕をつかんでこう言いました。
「それ、今聞かなきゃいけない事ですか?」
かつて、父が死んだとき彼女も同じようにマスコミに囲まれる体験をした。その記憶がフラッシュバックしてからのこのセリフ。
私はジャーナリストでもなんでもないですが、多分ジャーナリズムで大事な事って吉岡のこの気持ちなんじゃないかなー。と。これはジャーナリストの映画なんですし。
とうわけで、私は文章が本当に下手で、面白さとか言いたい事とか三分の一も伝わってないかもしれませんが、たくさんかけて満足です。(たまに見る映画なので、知り合いと感想を話し合いたいなーと思ったけど誰も見てなくて寂しいのもあった)
あと、映画を見に行ったのは7月20日だったんですが、なんか時期的に書くと変な意味合いなっちゃうな、とも思って今になりました。
嘘です。書きたいことがまとめられずに、梅雨だーじめじめするーと日々ゴロゴロしてたら梅雨が明けたので今日書きました。